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マンション不動産開発販売業界

意外と参入障壁の低いマンション業界

マンション分譲会社を、マンション開発の主体となり、開発したマンションの分譲などにより収益を得る事業者とする。マンション開発事業は主に、「用地の調達」「商品企画」「建設」「販売」の4つの段階とさらにアフターサービスの位置づけとして「管理」が存在する。

このようなバリューチェーンの構造でモデルを分解すると、その多くの部分が外部にアウトソーシング(外部委託)できるという、独特の事業構造が見えてくる建設業務は設計事務所やゼネコンに、また販売は販売代理会社、管理はグループ内であるケースが多いとはいえ、管理会社にすべて外部委託可能なため、マンション分譲会社の多くは、実際には用地取得と企画業務のみを主体とするケースも少なくない。

よって、実務的には宅地建物取引業免許と、用地取得に関する情報および資金調達手段を確保できれば容易に参入できる業界といえる。そのため、業界全体としては市場分散型業界(参入・退出コストが低く、業界内プレーヤーが多数存在し、結果1社あたりの市場シェアがきわめて小さい業界)に位置づけられ、トップ事業者の販売戸数シェアは約6%程度と、競争環境はきわめて多数乱戦状態にある業界といえる。

景気動向に運行するマンション市場

現在わが国には、およそ約570万戸強の分譲マンションが存在する(2012年現在)。総世帯数に占める割合は10%を超えており、完全に日本の居住形態のーっとしてその地位を確立しつつある。

毎年の着工ベースで市場全体を振り返ると、わが国の景気循環に大きな影響を受けながらも、基本的には右肩上がりの供給で市場は拡大し続けてきた。

バブル崩壊以降も、幾度かの低迷期はあったものの地価の下落、金融機関の不良債権処理に伴う用地売却などの影響もあり、利便性が高く安価な用地が流通し始めたなどの事情もあり、年間およそ日万戸強の安定した供給を保ち続けていた景気循環と分譲マンション供給との関係でいえば、さらに特徴的な点として、供給戸数は景気の動向に遅行することが指摘できる。

一般的にマンション開発は、用地仕入れから販売まで213年程度時間がかかる場合が多い。よってタイムリーに市況の予想や動向に応じた開発が困難であり、結果、景気サイクルが悪化し需要が減退しても供給を絞りきれず市況が大きく崩れる可能性が高い。

その場合、不良在庫を抱える業者は資金繰りの点から物件を安値で処分することとなり、さらにこのような在庫処分が一巡すれば、供給の不足感から再び市況が回復に向かう。

これが一般的な分譲マンション市場における供給サイクルである。実際、国土交通省総合政策局が毎用発表している「建築着工統計」から見る分譲マンションの着工戸数の動向と、景気の動向を見る上で有益な内閣府発表のCI(コンポジット・インデックス)の中で、その遅行指数とを比較すると、ほぼその動きは一致する。

一点、2007年7且から9用においてのみ、cI遅行指数の動きとかけ離れた着工戸数の急激な落ち込みが起きているが、それは、2007年の建築基準法の改正により、建築審査基準が強化されたことによる審査遅れという特殊事情によるところが大きい。

以上のことからも、同業界の市況環境の予測や各事業者の対応を把握する上で、完成在庫数、棚卸し資産回転率(会計年度期間中の売上高を棚卸し資産〈在庫〉で割ったものをいう)などが重要な指標のーっとなっている。

1990年から2009年の20年間における首都圏(1都3県)のマンション在庫数と、新設マンション着工戸数の増減率推移をグラフ化したものである。明らかに2つの数値の聞には、負の相関関係が確認できる。つまり、在庫数が拡大するとマンション分譲会社は新規プロジェクトへの投資を抑え、結果、新設マンション着工戸数が減少する。

逆に、在庫数が減少すると新たな供給としての新設マンション着工戸数が拡大することが確認できる。在庫数の推移を見てみると、サププライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題の顕在化、リーマンショックによる世界的な金融不安により、2008年12用までに1万2000戸まで増え続けた。

しかしその後は、各マンション分譲会社も金融機関の不動産セクター(部門)に対する融資の引き締めにより新規プロジェクトが先細り、在庫を損切り覚悟で処分しなければならない環境にさらされた。親から不動産の査定ランキングはどこに依頼すればいいのか。

アウトレットマンションと呼ばれる新古マンションを専門に取り扱う「買い取り再販業者」などが活躍し、2009年末の段階では在庫数は約7000戸弱まで減少している。また、関違法規である建築基準法の変更も業界動向に大きな彰響を与える。

たとえば、1997年の改正により容積率基準の緩和が起こると高さ10メートルを超える超高層マンションの建設-ブッシュが始まった。一方、2007年の改正により建築審査基準が強化されると新築マンション着工戸数が激減し、一挙に市況を悪化させた。

このように、分譲マンション市場においては関連法案の市況に与える影響は大きい。今後の市場の動向を把握する上では、この点も見逃せない。